9月の旬の魚

イトヨリダイ

 見目麗しい白身の高級魚。水深40~250mの砂泥底域に生息。主に小型底びき網や釣り、はえ縄で漁獲される。ふっくらした繊細な身質で、皮目が美しいため料理店からの引き合いが強い。皮霜造り、酒蒸し、煮付け等の日本料理はもとより、ポワレやワイン蒸し等の洋食にも向く。


ヘダイ

 沿岸の岩礁域や内湾に生息。漢字名「平鯛」は体が平たく側扁していることが由来。主に刺網、定置網、釣りで漁獲される。比較的お手頃だが、万人受けする上質な白身魚。旬の脂がのったものは、刺身にすると淡泊な中にほのかな旨みと甘みが感じられたいへん美味しい。塩焼き、煮付け、汁物等の日本料理はもとより、カルパッチョ、ソテー、フライ等の洋食にも向く。使い勝手の良さから近年その価値が見直されている。


クルマエビ

 豊後水道は全国屈指のクルマエビ好漁場。中でも佐伯市は大型が獲れることで知られる。鶴見市場にしばしば水揚げされる全長30cm近い超大型クルマエビは通称「尺エビ」と呼ばれ、食通垂涎の逸品。中小型のものも味の良さで定評がある。主に小型底びき網で漁獲され、水揚げのピークは春と秋の2回。春は中型を主体に大型が混じり、秋は中小型が多く獲れる。寿司、天ぷら、フライ等さまざまな料理で使用される最高級食材である。「踊り」は生ならではの味わいと後味の良さが楽しめる。加熱するとエビ独特の風味と甘みが増し、ひたすら美味。